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feel the ASIA コルディリェーラの棚田群
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フィリピン・コルディリェーラの棚田群(-たなだぐん)は、フィリピンのルソン島北部の中央山岳地帯の主に東斜面に広がっている棚田地帯。棚田の規模としては、世界最大ともいわれている。1995年に、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。
フィリピン・コルディリェーラの棚田群 出典:フリー百科辞典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フィリピンのルソン島の北部中央に広がるコルディレラは、標高が1,000を越える峰々が多数存在する。コルディレラは、スペイン語で山脈。この山域でもバギオという街は、避暑地として有名である。このバギオの東北にあるバナウェでは、大規模な棚田を見ることができる。また、バダットやボントックも大規模な棚田が広がっている。コルディリェーラの棚田は、天国へ昇る階段とも比喩される。棚田の総延長は20,000kmを越えるとも言われている。また、1995年にユネスコの世界遺産に登録された際は、日本の棚田保護政策のきっかけになったともいわれている。


Rice Terraces of the Philippine Cordilleras
Wikimedia Commons

この世界遺産は、世界遺産登録基準における「現存する、または、消滅した文化的伝統、または、文明の、唯一の、または少なくとも稀な証拠。」「人類の歴史上重要な時代を例証する、建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の優れた例。」「特に、不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている、ある文化(または、複数の文化)を代表する伝統的集落、または、土地利用の際立った例。」の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。

近年は、耕作放棄された田や、水の流れを無視した住居の建築も増え、景観の維持が課題となっている。これを踏まえ、2001年にユネスコの世界遺産の危機遺産へも登録されている。

コルディリェーラの棚田は、山岳民族のイフガオ族などが紀元前1000年~紀元前100年から造成しはじめたといわれている。一部、水牛なども使われたようだが、ほとんどが手作業である。ボントックには、民族博物館がある。

山岳民族・イフガオ族

コルディリェーラの棚田を造成したといわれる山岳民族・イフガオ族。彼らは壮大な棚田を守り、伝統のある暮らしを続けています。
今回は、8ヶ月間フィリピンで研修を積まれた庄内ふるさとファームの田中武夫さんの協力の下、イフガオ族の紹介をいたします。




炊事風景。
柱に掛けてあるのは、第二次大戦中に日本軍が使用していた飯ごうです。



森から流れ出す湧き水はやがて清流となり大地を潤す。(ハパオ村)

「耕して天に至る」。
世界遺産に指定されているバナウエのライステラスを目にして、この言葉の意味がはっきりわかりました。数千年もの歳月をかけて、先人達が少しづつ水田を開墾し、やがて山全体が黄金色に輝く稲の山を築き上げたのです。それは、まさに天に届きそうな神々しい光景です。

イフガオ族は、古マレー諸族に属する棚田水田農耕民です。顔つきは、丸みがあり、私たち日本人と良く似ています。イフガオを含めた山岳州は20世紀前半から、アメリカ人による英語教育が盛んに行われました。その流れを今日でも受け継いでいるのか、彼らの英語能力はマニラ首都圏のタガログ族(今日のフィリピン人)よりも高いといわれています。イフガオ族の人びとは、日常語であるイフガオ語を中心に英語、イロカノ語、そしてタガログ語を自由に使いこなしています。

スペイン統治時代は、山岳地帯においても支配者による激しい弾圧があったそうですが、「首刈り族」として名を馳せたイフガオ族の抵抗は激しく、結局スペイン軍はこの地域を完全に支配化に置くことは出来なかったそうです。

また、この地域は第二次大戦中、アメリカ軍と旧日本軍の激戦地でも有名です。この地で山下将軍は力尽き、降伏したのです。今日でも山下伝説というものがあり、山下将軍が降伏する直前に、金銀財宝をどこかに隠したと言い伝えられています。本気で探しに来る人もいるそうです。

豊かな森林が豊かな水をもたらし、大地を潤し、いのちを育む。イフガオ州は、財政的には非常に貧しい州と言われていますが、豊かな自然が残されており、米をはじめ野菜や果物など豊富な農作物が実るフィリピン屈指の恵まれた地域でもあります。

しかし、この恵まれた自然環境が持続可能とは言い切れないのも事実です。経済的困窮から若者達が大量にマニラなどの首都圏へ流出したり、働き盛りの男性の出稼ぎなどによる過疎問題が深刻化しているのです。その結果、放棄された農地も増えています。農地の放棄は、すなわち棚田の崩壊、自然環境の崩壊を意味しています。また、米の収量を増やすため(緑の革命)、農薬・化学肥料を多投。やがて地力の低下を招き、結果的に減収をもたらすなどの問題も恒常化しています。

ハパオ村を訪れた1月は、田植えの季節でもあります。それぞれの田んぼでは、朝早くから田植えの準備に汗を流す人たちを多く見かけました。

彼らにとっての1年は「植付け期」と「収穫期」に大別されます。また、米の生育段階に基づいた「四季」もあります。それは「イワン(農閑期:8~11月頃)に始まり、「ラワン(植付け期:12~3月頃)、ティヤルゴ(乾期:4~6月頃)、を経て「アヒツル」(収穫期:7月頃)で終わります。さらに「月」の呼称は一様に自然環境の微妙な変化をとらえています。例えばキリンナ(11月頃)は、キリンという渡り鳥が姿を見せる頃を指します。また、「ウポクナ」(4月頃)は、乾期で砂塵が舞い上がる様子がウポック(米ぬか)のように見えることから名付けられました。


結婚式の翌日に開かれたパーティにて。
伝統舞踊が披露される。



民族衣装をまとい、伝統舞踊を踊る子供たち。


イフガオ族の伝統的な家屋


炊事場

イフガオ族の信仰は、祖霊信仰を基調としています。しかし、キリスト教の布教により、今では住民のほとんどがキリスト教徒となっています。


たまたま、キアガン町で催された結婚式にお邪魔させてもらったことがあります。町の中にある立派な教会での結婚式でした。翌日、新婦の家で開かれたパーティでは、カラバオ(水牛)や豚、鶏などが振舞われ、自家製のライスワインを交わしながら老若男女が伝統舞踊を踊り、新郎新婦を祝福しました。

また、お葬式にも参列する機会がありました。死者は棺に納められ、一見キリスト教的なお葬式にも見えましたが、ここでも豚が生贄にされて、葬儀に参列した親類や友人、そして近所の人など大勢の人々に振舞われました。伝統的なふんどし姿でママ(噛み煙草の一種)を噛んでいる人、トランプで賭け事に興じる若者達などを見ていると、一種独特の雰囲気を醸し出しています。
かつては、洗骨習俗といって、死者を一時的に台上葬や風葬、洞窟葬、土葬などによって弔ったあと、3年以上経過してから改めて遺骨を取り出し、洗浄して保存する習俗がありました。今日では洗骨をせずに土葬で弔うのがほとんどだそうです。

私は、キリスト教と土着祖霊信仰との宗教的二重性が存在するものと考えています。事実、田植えの儀式や収穫の儀式などの年中行事は、今日でも少なくなったとは言え、伝統的な儀式が行われていると言います。ちなみに、これらの祭事を司る人をムンバキ(長老)と呼んでいます。

私が訪れた村々で、イフガオ族独自の伝統的な家屋に住んでいる人は皆無でした。唯一、役場の敷地内などに家屋が移築・保存されていて、かつての生活を想像することが出来ました。

家屋を支えている柱はアムガワンといわれる堅木で出来ています。この堅木に支えられて、地上約1.5メートルのところに家屋が建てられています。柱の上部にある厚い丸太はネズミ返しです。

冷涼な気候から身を守るために、家屋には窓が一つもなく、前面と背後に小さな出入り口があるだけです。ドアにはしごをかけて出入りするようになっています(夜間は取り外される)。
イフガオ族の伝統的な家屋
内部は、仕切りの無い一つの部屋になっています。収穫した米の一部は、家の上部の棚に貯蔵できるようになっていて、炊事場の熱で常に乾燥した状態を維持することが出来ます。

さらに、イフガオ族の家屋の特徴の一つとして、釘を全く使用していない点が挙げられます。従って解体や組み立てが容易であり、家屋の移動も一般的に良く行われていたようです。このことから、イフガオ族の慣習法では、家屋を動産とみなしているのです。

庄内ふるさとファームのご紹介

現在、自然豊かな農村で、農薬・化学肥料を使わない自給農業に取り組まれている庄内ふるさとファームの皆さん。田中さんは、「開発途上国に暮らす人びとは物質的には決して豊ではないかもしれないが、私たち日本人が忘れてしまった心の豊かさを持っているのではないだろうか。彼らと共に暮らすことで、これから自分が生きていく上で重要なヒントが得られるのではないだろうか。」と考え、当時勤めていた会社を辞めてフィリピンへ発ちました。現地では国際協力としての研修を8ヶ月間行い、イフガオ族の生活も実際に見られてきたそうです。
そんなフィリピンでの研修や、学んだ農業の知識を生かして、農薬・化学肥料を一切使わずにアイガモ農法で栽培したコシヒカリを使用したおかゆをホームページでは、販売されています。現在の農業日記やフィリピンでの生活模様が多く記載されていますので、ぜひ一度ご覧下さい。

出典:庄内ふるさとファーム

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